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組織カルチャーの棚卸のすすめ

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組織カルチャーの棚卸のすすめ

「カルチャーを大事に」とは、企業経営の場でよく耳にする言葉です。

企業文化や価値観を大事にすること自体は、決して珍しい話ではありません。

ただ、現場で話を聞いていくと、少し気になる場面に出会うことがあります。

同じ会社の中で、「カルチャー」の指しているものが人によって微妙に違っていることがあるのです。

ある人は「挑戦する姿勢」と言い、

ある人は「チームワーク」と言い、

また別の人は「お客様第一」と言う。

どれも間違っているわけではありません。

ただ、それぞれが指しているものが、本当に同じものなのかは少し分かりにくい。

組織カルチャーという言葉は、抽象度が高く便利な反面、整理されないまま使われることも多い概念です。

この記事では、「組織カルチャー」という言葉の扱い方について、いくつかの視点から整理してみます。

組織カルチャーは「あるもの」なのか

企業カルチャーという言葉は、しばしば「つくるもの」として語られます。

・カルチャーを作る

・カルチャーを浸透させる

・カルチャーを変える

こうした表現はよく見かけます。

ただ、組織研究の分野では、カルチャーは少し違う捉え方をされることもあります。

それは「すでに存在しているもの」という見方です。

企業の中では、日々さまざまな意思決定や行動が繰り返されています。

・どんな会議が行われるのか

・どんな人が評価されるのか

・トラブルが起きたとき、どう判断するのか

そうした積み重ねの中で、「この会社では、こういう行動が自然だよね」という暗黙の前提が生まれていきます。

それが組織カルチャーの正体だと言われることもあります。

つまり、カルチャーは「つくる」というより、すでに存在している行動のパターンの集合とも言えるのです。

この視点に立つと、カルチャーを考えるときの出発点は少し変わります。

新しく作ることよりも、まず「今どうなっているのか」を見ていく必要が出てきます。

カルチャーが言語化されないときに起きること

カルチャーが言語化されていない状態は、必ずしも問題ではありません。

多くの組織では、暗黙の了解として機能しています。

ただ、組織が成長したり、採用活動を強化したりすると、少しずつその曖昧さが影響する場面が出てきます。

例えば、採用です。

面接の場ではよく「カルチャーフィット」という言葉が使われます。

会社の文化に合う人かどうか、という判断です。

ただ、そのカルチャーが言語化されていない場合、判断基準はどうしても人によって変わります。

ある面接官は「主体性」を重視し、別の面接官は「協調性」を重視する。

それぞれの価値観が違うわけではありません。

ただ、「この会社が大事にしているもの」が共有されていないと、採用判断の軸が揺れてしまうことがあります。

この状況は、採用に限らず、評価や意思決定でも起こり得ます。

同じ言葉を使っていても、指している意味が少しずつ違う。

そうした状態が続くと、組織の中で小さなズレが積み重なっていきます。

カルチャーの棚卸という考え方

そこで役に立つのが、「カルチャーを作る」のではなく「カルチャーを棚卸する」という考え方です。

棚卸という言葉は、本来は在庫確認の意味ですが、組織に当てはめると「今あるものを整理する」というニュアンスになります。

例えば、次のような問いです。

・どんな行動が評価されているのか

・どんな判断が称賛されるのか

・どんな失敗は許容されるのか

・どんな人が活躍しているのか

こうした問いをいくつか重ねていくと、組織の中にある価値観の輪郭が少しずつ見えてきます。

面白いのは、この作業をすると「掲げている価値観」と「実際に起きている行動」の違いが見えることがある点です。

掲げているスローガンは「挑戦」なのに、評価されているのは「失敗しない慎重さ」だったりする。

これはどちらが正しいという話ではありません。

ただ、その差を認識しておくことは、組織の意思決定を考えるうえで意味を持ちます。

カルチャーを整理することの意味

カルチャーを棚卸することは、必ずしも組織を変えることを目的とする作業ではありません。

むしろ、「今どうなっているのか」を確認する行為に近いものです。

組織は、時間とともに自然と文化を持ちます。

そして、その文化は採用や意思決定、日常のコミュニケーションに影響します。

ただ、それが言語化されていない場合、その影響は見えにくいものになります。

カルチャーを整理することは、

組織の方向性を決めるためというより、

・どんな前提で意思決定が行われているのか

・どんな価値観が実際に機能しているのか

・どこにズレがあるのか

といった状態を把握する作業とも言えます。

その結果、

カルチャーを強める判断をする組織もあれば、少し変える選択をする組織もあります。

どちらが正しいというものではありません。

ただ、判断の材料として、組織のカルチャーを一度整理してみることは、思っている以上に意味のある作業かもしれません。

株式会社カラビナは、組織・事業・現場へのヒアリングを通して、企業ごとの組織カルチャーや価値観の整理を支援しています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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